工業簿記の本質基礎講座・第8回(総合原価計算2)

総合原価計算の仕損・減損
日商簿記2級では、総合原価計算の仕損費の計算処理は度外視法のみだ。論点となるのは、仕損品の評価額と、仕損費の負担先をどうするか(完成品のみとするか両者負担とするか)くらいで、計算パターンを覚えてしまえば、どうということはない。
ところが、日商簿記1級になると計算要素が一気に増えるのでやっかいだ。計算方法をきちんと整理しておかないと、混乱をしてしまい、思わるケアレスミスが誘引されたりする。ここではその対策のための問題を用意した。本試験前の最終チェックとして解いておこう。
仕損・減損の計算方法を決定する要素
日商簿記1級では、仕損・減損の計算方法を決定するさい次の要素を考慮しなければならない。(赤字は1級で新たに学習する論点)
- 仕損・減損の計算処理方法(度外視法、非度外視法)
- 仕損・減損の発生形態(定点発生、平均的発生、安定的発生)
- 仕損・減損が定点発生の場合、その発生のタイミングで負担先を決定
- 非度外視法の場合、原価配分方法(先入先出法、平均法)
- 仕損の種類(正常仕損、異常仕損)
- 仕損品評価額がある場合、その処理方法
さらに、仕損・減損の計算処理方法が度外視法の場合、次のようにさらに4つに細分化される。
- 常に両者負担(進捗度は無視)とするケース
- 仕損が終点発生の場合のみ完成品負担とし、他は全て両者負担とするケース
- 仕損の発生点と月末仕掛品の進捗度を比較して負担先を決定するケース
- 企業の会計方針によって負担先を決定するケース
すべての要素が出題されるとは限らないけれど、こういった要素を考慮しなければいけない、ということは頭の片隅に入れておいてほしい。
さまざまなパターンでの仕損・減損の計算処理
ここでは、1つの数値設定を用いて、様々なパターンでの仕損減損の計算処理を練習してもらうべく作問してみた。本試験前の最終確認としてチャレンジして頂ければと思う。
なお、1つだけヒントを出すと・・・
解答数値は、全てのパターンで割り切れるように作問したので(内輪話だけど、これがものすごく大変だった)、計算途中で割り切れなければ、どこかで間違えている。確認しながら解いて頂ければと思う。なお、本番では割り切れないこともあるので注意してほしい。
設例
当社は標準品を製造しており総合原価計算を採用している。 資料にもとづき、各問に答えなさい。
生産データ(カッコ内の数字は加工進捗度もしくは仕損発生点を表す)
| 月初仕掛品 | 300個 | (40%) |
|---|---|---|
| 当月投入 | 1,300個 | |
| 合計 | 1,600個 | |
| 正常仕損品 | 100個 | (50%) |
| 月末仕掛品 | 500個 | (60%) |
| 完成品 | 1,000個 |
原価データ
| 月初仕掛品 | 当月投入 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 材料費 | 230,400円 | 936,000円 | 1,166,400円 |
| 加工費 | 223,740円 | 2,177,100円 | 2,400,840円 |
| 合計 | 454,140円 | 3,113,100円 | 3,567,240円 |
その他計算条件
- 仕損品には1個あたり401.4円の評価額がある。なお、仕損品の価値は材料の価値である。
- 度外視法を採用する場合、仕損費は仕損の発生点と月末仕掛品の加工進捗度を考慮してその負担先を決定している。
問
以下の計算条件にもとづいて、月末仕掛品原価と完成品原価を計算しなさい。
- 仕損費を度外視法、原価配分を先入先出法によって計算した場合。
- 仕損費を度外視法、原価配分は平均法によって計算した場合。
- 仕損費を非度外視法、原価配分は先入先出法によって計算した場合。なお、仕損は一定点で発生しているものとし、仕損は全て当月投入分から発生したとみなす。
- 仕損費を非度外視法、原価配分は先入先出法によって計算した場合。なお、仕損は平均的に発生しているものとし、仕損は全て当月投入分から発生したとみなす。
- 仕損費を非度外視法、原価配分は平均法によって計算した場合。なお、仕損は一定点で発生しているものとする。
- 仕損費を非度外視法、原価配分は平均法によって計算した場合。なお、仕損は平均的に発生しているものとする。
答案用紙
| 月末仕掛品 | 完成品 | |||
|---|---|---|---|---|
| 度外視 | 先入先出法 | ( )円 | ( )円 | |
| 平均法 | ( )円 | ( )円 | ||
| 非度外視 | 先入先出法 | 一定点発生 | ( )円 | ( )円 |
| 平均的発生 | ( )円 | ( )円 | ||
| 平均法 | 一定点発生 | ( )円 | ( )円 | |
| 平均的発生 | ( )円 | ( )円 | ||
解答
- 解答(クリックで開きます)
-
月末仕掛品 完成品 度外視 先入先出法 926,775円 2,600,325円 平均法 929,460円 2,597,640円 非度外視 先入先出法 一定点発生 941,150円 2,585,950円 平均的発生 921,600円 2,605,500円 平均法 一定点発生 938,580円 2,588,520円 平均的発生 926,100円 2,601,000円
解説
- 解説(クリックで開きます)
-
度外視法の生産データ
度外視法の生産データボックス図の作成は、とりあえず仕損も含めたボックス図を作成し、そこから仕損を削除する、という手順がテキストに記載されている。確かに分かりやすいが、個人的にはあまりお勧めできない。
1.生産データ 月初 300
(120)完成 1,000
当月 1,300
(1,230)仕損100
(50)月末 500
(300)↓
2.度外視法の生産データ 月初
300
(120)完成 1,000 当月 1,300-100=1,200
(1,230-50=1,180)月末 500
(300)度外視法とは、その名のとおり仕損を度外視(無視)する方法だ。つまりはじめから仕損は無いものとして扱う。そういう意味では、わざわざ上記の1の生産データを作成して、そこから2の度外視法の生産データを作るなど、無駄な手順だ。
最初から仕損を度外視して、2の生産データを作成すればいい。つまり、完成と月末、月初を先に記入し、最後に貸借差引で当月投入を計算する。この方が速いしミスしにくい。
なぜ、上記のようなムダな手順が流行ったのか。これは最初にヒットした某社テキストの記述がたまたまそうであり、後発テキストがそのやりかたをが真似たからだろう。
度外視法と非度外視法のメリットとデメリット
余談だが(余談と言っても理論で出るかもしれない)、度外視法のメリットは「仕損量を把握しなくてもいい」ということだ。実務的にも、仕損量の把握は、コストや手間が掛かる。検査機器だったり人手だったりが必要だ。一方で、度外視法のデメリットは、製品原価計算が不正確になることだ。ということで、ある程度の不正確性を許容できるなら、度外視法を採用するのはコスト面から企業にとって合理的な判断だ。
コストと手間を掛けて、仕損量とその発生点を把握しているのなら、非度外視法を採用しない理由はない。非度外視法の方がメリットが多いからだ。正確な製品原価計算が出来ることはもちろんのこと、どこで何をどれくらい失敗したのかが把握できるので原価管理に有用だからだ。
つまり、仕損量と発生点が判明しているのに度外視法で計算する、というのは、試験問題だからであって、実務的には少々違和感を覚える。とは言え試験問題がそうなのだから仕方がない。指示に従って計算しよう。
仕損品評価額のある度外視法
度外視法を採用しているときの仕損品評価額の計算は2級の範囲なので簡単そうに思えるが、実は結構やっかいだ。まず、仕損費の定義は大丈夫だろうか。大切なので再確認しよう。
仕損費=仕損品原価−仕損品評価額
つまり、仕損費とは、仕損品原価(仕損品に掛かったコスト)から、仕損品評価額を控除した残りの額のことだ。そして、仕損費は、その発生状況にもとづき、完成品または月末仕掛品に適宜負担させるのが合理的だ。
ところがだ。度外視法は、仕損品自体の存在を無視してしまうので、仕損品原価を計算できない。だから、仕損品評価額も処理しようがないわけだ。
そこで、度外視法においては、仕損品評価額を仕損品原価から切り離すのではなく、当月投入からあらかじめ切り離しておこうという発想になるわけだ。つまり、本来の仕損費の処理から考えれば、仕損品原価というアウトプット(貸方)の額を算定して、そこから仕損品評価額を切り離すべきだけど、度外視法の場合はそれが出来ないので、仕方なく、あらかじめインプット(借方)から控除しておこうということだ。
そこで問題になるのが、当月投入のどの費目から控除すべきかという問題だ。問題文ではたいてい仕損品の価値の源泉が記載されている。本問の場合「仕損品の価値は材料の価値である」がそれだ。よって、当月投入の材料費から仕損品評価額を引いておけばいい、ということになる。
度外視法の生産データ 月初
300
(120)完成 1,000 当月 1,300-100=1,200
(1,230-50=1,180)月末 500
(300)問1(度外視法・先入先出法)
月末仕掛品(材料):(936,000円−@401.4円×100個)÷1,200×500=373,275円
月末仕掛品(加工):2,177,100円÷1,180×300=553,500円
月末仕掛品:373,275円+553,500円=926,775円
完成品原価:
3,567,240円−月末926,775円−仕損品評価額40,140円=2,600,325円問2(度外視法・平均法)
月末仕掛品(材料):(230,400円+936,000円−@401.4円×100個)÷1,500×500=375,420円
月末仕掛品(加工):(223,740円+2,177,100円)÷1,300×300=554,040円
月末仕掛品:375,420円+554,040円=929,460円
完成品原価:
3,567,240円−月末929,460円−仕損品評価額40,140円=2,597,640円非度外視法
非度外視法は1級から登場する。度外視法に比べて計算量も多く、一見たいへんそうだが、理論的な整合性が取れているので、むしろ理解はしやすく、こちらの方が得意という人も少なくないんじゃないかと思う。まずはボックス図を作ろう。
生産データ 月初 300
(120)完成 1,000
当月 1,300
(1,230)仕損 100
(50)月末 500
(300)仕損費の計算手順は、次のとおりだ。
① 仕損品原価を算定する
② 仕損品原価から仕損品評価額を控除して仕損費を算定する
③ 仕損の発生形態および発生タイミングから負担先を決定する
④ 両者負担のときは、その負担割合を決定する以下、すべてこの手順にもとづいて計算しよう。
問3(非度外視法・先入先出法・一定点発生)
月末仕掛品:936,000円÷1,300×500+2,177,100円÷1,230×300=891,000円
仕損品原価:936,000円÷1,300×100+2,177,100円÷1,230×50=160,500円・・・①
仕損費:160,500円−仕損品評価額40,140円=120,360円・・・②仕損品50%<月末60%より、負担先は完成品と月末仕掛品の両者負担・・・③
負担割合は、先入先出法、一定点発生なので、次のとおり
完成品:月末=(1,000−300):500=7:5・・・④よって、月末仕掛品が負担する仕損費は、次のとおり
120,360円÷(7+5)×5=50,150円仕損費負担後の月末仕掛品:
891,000円+50,150円=941,150円
完成品原価:
3,567,240円−月末941,150円−仕損品評価額40,140円=2,585,950円問4(非度外視法・先入先出法・平均的発生)
月末仕掛品:936,000円÷1,300×500+2,177,100円÷1,230×300=891,000円
仕損品原価:936,000円÷1,300×100+2,177,100円÷1,230×50=160,500円・・・①
仕損費:160,500円−仕損品評価額40,140円=120,360円・・・②仕損が平均的に発生しているので、負担先は完成品と月末仕掛品の両者負担・・・③
負担割合は、先入先出法、平均的発生なので、次のとおり
完成品:月末=(1,000−120):300=880:300・・・④よって、月末仕掛品が負担する仕損費は、次のとおり
120,360円÷(880+300)×300=30,600円仕損費負担後の月末仕掛品:
891,000円+30,600円=921,600円
完成品原価:
3,567,240円−月末921,600円−仕損品評価額40,140円=2,605,500円問5(非度外視法・平均法・一定点発生)
月末仕掛品:1,166,400円÷1,600×500+2,400,840円÷1,350×300=898,020円
仕損品原価:1,166,400円÷1,600×100+2,400,840円÷1,350×50=161,820円・・・①
仕損費:161,820円−仕損品評価額40,140円=121,680円・・・②仕損が平均的に発生しているので、負担先は完成品と月末仕掛品の両者負担・・・③
負担割合は、平均法、一定点発生なので、次のとおり
完成品:月末=1,000:500=2:1・・・④
よって、月末仕掛品が負担する仕損費は、次のとおり
121,680円÷(2+1)×1=40,560円仕損費負担後の月末仕掛品:
898,020円+40,560円=938,580円
完成品原価:
3,567,240円−月末938,580円−仕損品評価額40,140円=2,588,520円問6(非度外視法・平均法・平均的発生)
月末仕掛品:1,166,400円÷1,600×500+2,400,840円÷1,350×300=898,020円
仕損品原価:1,166,400円÷1,600×100+2,400,840円÷1,350×50=161,820円・・・①
仕損費:161,820円−仕損品評価額40,140円=121,680円・・・②仕損が平均的に発生しているので、負担先は完成品と月末仕掛品の両者負担・・・③
負担割合は、平均法、平均的発生なので、次のとおり
完成品:月末=1,000:300=10:3・・・④よって、月末仕掛品が負担する仕損費は、次のとおり
121,680円÷(10+3)×3=28,080円仕損費負担後の月末仕掛品:
898,020円+28,080円=926,100円
完成品原価:
3,567,240円−月末926,100円−仕損品評価額40,140円=2,601,000円
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先生大変。
この時期に非度外視法の④の仕損の負担品割合の出し方がわかりません。
単に、完成品:月末仕掛=材料の仕損費を1000:500、加工費の仕損費を1000:300で配分するんだと思ってました。
テキストをざっと見たのですが、わかりませんでした。
説明していただけないでしょうか?
宜しくお願いします。
きゃろるさんへ
うん、いかんですがな。
2つの点で誤りがあります。
1つは、先入先出法なのに月初分の控除を忘れていること。
もう1つは、非度外視法なのに材料費と加工費に対して別の按分基準を用いていることです。
それでは、解説をもう少し詳しく書きますね。
きゃろるさんへ
ファイティンです。私も先ほど問題を解きました。下記の問4でしょうか?
先入先出法、仕損は当月からなので当月完成から月初のデータを差し引きます。
材料1,000-300(月初)=700 また加工費も1,000-120=880
仕損は平均的発生なので、仕損費→120,360を加工費で案分すると、
完成品→880/1,180=89,760 月末→300/1,180=30,600
以上になると思いますが・・
先生、解説をよろしくお願いします。
ファイティンさんへ
はい、正解です!ありがとう。
仕損・評価額ありの問題をありがとうございました。
まず問1と2→度外視なので当月材料から最初に評価額を引いて完成・月末算出できました。
(以前はよくミスしていました。問題の指示をよく読みます。)
問3と4ですが・・仕損費の案分、月末まではできたのですが、最後の完成品の計算を間違えました。
「完成品は、差額で出す!」と何度も聞いているのに、材料・加工費の単価を出して当月掛けて、
月初分を加算して、最後仕損を加算する・・として計算ミスです。
でも、差額でも最後△40,140を忘れていたかもです。。
問5と6は、平均法でしたので完成・月末はできましたが、
また材料・加工の単価を出して・・と計算したので全体的に時間がかかりすぎました。
仕損費の負担は月末だけ出して、すぐに完成品は借方合計から差額で出す、その時に
仕損品評価額を差し引くのを忘れないように気をつけます。
あと、条件が変わっていくので下書きも工夫する必要ありですね。
30分以内目標で解きなおします。
ファイティンさん
上記ご説明で、すべてわかりました。ありがとうございます。
先入先出であるため、月初を引くということをすっかり忘れていました。
解説を読んで、別な点で疑問があります。
非度外視の全部の問題に共通しているのですが、
②で仕損費:160,500円−仕損品評価額40,140円=120,360円・・・②
仕損費から仕損品評価額を差し引いた額120,360円を完成品と月末に配分しているのに、
なぜ、完成品の計算をするときに再度仕損品評価額を引くのでしょうか?
3,567,240円−月末941,150円−仕損品評価額40,140円=2,585,950円
この場合のこの月末分941,150円はすでに仕損品評価額は引かれていますよね?
でも3,567,240円は引かれていませんよね。
だからといって、なぜ仕損品評価額40,140円を全額引くのでしょうか?
月末負担分の仕損品評価額分2度引きにはならないのでしょうか?
混乱してきました><。
解説をお願いします。
きゃろるさんへ
はい、なるほど、分かります。そこは、私も受験生のときに引っかかった記憶あります。
これは、勘定記入を意識しないと混乱するんですよ。これも解説記事書きますね。ちょっと、今から支度して、取引先に行かないと行けません。夕方帰ってきますので、そのときに書きます。
ファイティンさんへ
はい。よくわかります。総合原価計算で仕損評価額があるときは、時短を意識した解き方をしないと、無駄に時間が掛かるしミスもしやすくなります。これも解説記事書きますね。
ただ、計算方法はしっかりご理解されているようですので、あとは時短テクニックを知れば万全ですね。
>30分以内目標で解きなおします。
いや20分以内に出来るようになりますよ。
仕損の平均的発生で仕損費を完成品換算量の割合で按分するのを
すっかり忘れてました。。
なので、今テキストを復習したところです。
直前のこの時期に気づいて良かったです。
工原は先生のおかげもあり、前回よりも本質的な理解は深まったと
思いますが、やはり当日、工業簿記の問題が一番こわいですね。
ひろりんさんへ
工業簿記(原価計算も)の本試験では、設問の意味を読み取るのが困難な問題が出来ることよりも、こういう基本問題を落とさないことが大切です。ラストの1日、2日は基本論点をしっかりスムーズに覚えているかの確認に使うとよいと思います。
私が工業簿記を「面白い!」と思えるようになったのは富久田先生のこちらブログに出会ってからです。
いつもたのしく拝見させて頂いています。ありがとうございます。
総合原価計算の仕損処理の質問させてください。
非度外視法と度外法の両者負担の場合の「基準の違い」についてです。
———————————————————
<非度外視法、両者負担、定点発生の場合>→仕損費を「数量」基準で負担
<非度外視法、両者負担、平均発生の場合>→仕損費を「完成品換算量」基準で負担
<非度外視法、両者負担、定点発生の場合><非度外視法、両者負担、平均発生の場合>
→どちらの場合も、仕損費のうち材料費を「数量」基準で負担、加工費は「完成品換算量」基準で負担
———————————————————
この基準の違いがあるのは何故でしょうか?
●以下、私なりの解釈です。
<例 非度外視法、定点発生、仕損発生点60%、月末進捗度80%の場合>
仕損費を分離して計算し、これを発生点(検査点)を通過した全ての品(完成品、月末)を産み出す為の犠牲の原価と捉え「数量」基準で負担させる。
<例 非度外視法、平均的発生及び仕損点不明、便宜上仕損発生点は50%、月末進捗度80%の場合>
仕損費を分離して計算し、仕損発生の責任量、可能性量に比例して負担させる意味で進捗度に応じ全ての品(完成品、月末)に「完成品換算量」基準で負担させる。
以上、私なりの解釈だと、
<度外視法、両者負担、定点発生の場合>でも、非度外視法のように加工費を「数量」基準で負担させても良いような気がするのですが、「完成品換算量」基準で負担させるのは何故なのでしょうか??計算の簡便性?
(問2で、加工費合計2,400,840円を完成品量「1000個」と月末仕掛品量「500個」で按分でなく、完成品換算量「1000個」と月末完成品換算量「300個」で按分させている本質が知りたいです!)
教えてください。よろしくお願いします。
確認ですが、マンタさんの以下の記述の”非度外視法”の部分は、”度外視法”の記入ミスということでよろしいでしょうか。(一応そういう前提で回答させていただきます)
———————————————————
:
:
<非度外視法、両者負担、定点発生の場合><非度外視法、両者負担、平均発生の場合>
→どちらの場合も、仕損費のうち材料費を「数量」基準で負担、加工費は「完成品換算量」基準で負担
———————————————————
さて、とにもかくにもよく勉強されていますよね。
非度外視法についてのマンタさんの解釈、正解です。ご自分で考えてこの理由にたどり着いたのでしたら、かなり優秀です。
多くの方は「非度外視法とはこう計算するもの」とそれ以上深く考えることもなく済ましてしまう中、なぜこのように計算するのか?と疑問を持って、その理由まで考える姿勢、素晴らしいと思います。
さて、度外視法ですが、まずマンタさんの問2における解釈は、これは多分勘違いをされていると思います。
物量基準で按分すべきは、あくまでも「仕損費」です。加工費合計2,400,840は、仕損費ではなくて、当月発生の加工費ですから、この発生原因は、明らかに完成品と月末仕掛品の加工量に依存しています。これを物量で按分するのは、理論的に整合していません。完成品換算量で按分すべきです。
この点、勘違いされていませんか?
さて、もう1点、書いてみます。そもそも度外視法は、不正確だと分かっていながら、なぜ採用されるのでしょうか。これは、計算が楽だからです。マンタさんのおっしゃるとおり「計算の簡便性」です。(会計用語では、計算の経済性が良いといいます)
具体的には、仕損があろうがなかろうが、そんなこと一切意識せずにいつもと同じ計算をするだけで仕損費込みのアウトプットの原価を計算できます。楽でいいですね。
つまり、度外視法は、仕損の存在自体を無視しているわけですから、当然、仕損費なんていう概念もなく、非度外視法のように「仕損費をどのように按分すべきか」など、それを議論すること自体がナンセンスなんです。この点を意識してみてください。
富久田先生。コメントありがとうございました。
納得しました!
そもそも「度外視」なので、仕損費の負担根拠なんて考えなくて良かったのですね。目から鱗です。
ありがとうございました!
大変お世話になっております。
問1なのですが、仕損品評価額を期首仕掛分の完成品から控除しないのはなぜでしょうか?
期首仕掛の進捗は40%、仕損品は50%ですので期首仕掛からの完成品からも仕損が出ている気がするのですが…
的外れだったり既出でしたらすみませんが、教えて頂けると幸いです。
「先入先出法で、月初の進捗度が40%で仕損発生点が50%なら、月初からも仕損は生じているわけだから、仕損品評価額の控除対象となるはずだ」
というご質問ですね。これ、テキストには載ってないはずですから、ご自分で考えられた疑問ですよね?よく勉強されていますね。素晴らしいです。
理論的な整合性からは、mi-naさんのおっしゃるとおりで、月初からも仕損品は生じているはずですから、控除すべきだと思います。
ただし。
度外視法は、簡便法であって、いくつかの仮定にもとづいた計算です。ですので、そこに理論的な整合性を持ち込むと辻褄があわないことがあります。本ケースもその一例です。
結論から言えば、控除しません。
理由は、先入先出法での計算は「仕損は当月投入からのみ発生しているものと仮定する」という「暗黙の了解」があるからです。問題文に書かれているときもありますが、書かれていなくてもその仮定にもとづいて計算します。
>先入先出法での計算は「仕損は当月投入からのみ発生しているものと仮定する」という「暗黙の了解」がある
そうだったのですね!平均法ではしれっと月初分からも控除しているよう計算なので気になっていました。
ずっとモヤモヤっとしていたのがスッキリしました、本当にありがとうございます。
①度外視先入先出法で質問です
手持ちのテキストなどでは、仕損の100個も完成品とみなした数量で計算し…
これで計算すると
期末仕掛品、原料936000÷1300×500=360000
期末仕掛品、加工2177100÷1230×300=531000
期末合計 891000
完成品、原価合計3567240−評価40140−期末891000=2636100
混乱しています。
どちらのやり方でも答えが合うはずなのに、私の計算のどこが間違っているのですか?
>手持ちのテキストなどでは、仕損の100個も完成品とみなした数量で計算し…
条件に「度外視法を採用する場合、仕損費は仕損の発生点と月末仕掛品の加工進捗度を考慮してその負担先を決定している。」という指示があります。
本問は、仕損発生点が50%、月末仕掛品が60%ですから、正常仕損費は完成品だけではなく月末仕掛品も負担義務を負います。ですから、月末仕掛品と完成品で按分計算をしなければなりません。
ちゃんだんさんの計算方法だと、正常仕損費を完成品だけが負担する計算になっています。
多分ですが、手持ちのテキストの設例は、仕損発生点が終点発生とか月末仕掛品よりも後ろなのではないでしょうか。