究極にやさしい税効果会計その1

税効果会計インデックス
- 第1回:税効果会計の基礎の基礎
- 第2回:税効果会計を適用したときの仕訳と損益計算書の表示
- 第3回:会計上と税務上で見解が異なるのは具体的にどういうとき?
- 第4回:繰延法と資産負債法って何?(なぜ有価証券評価差額金も税効果会計対象?)
- 第5回:連結会計で税効果会計をするのはなぜ?
- 第6回:その繰延税金資産って本当にそれだけの資産価値ある?
なぜ税効果会計を苦手にする人が多いのか
なぜ、税効果会計を苦手とする人が多いのでしょうか。
理由は色々と考えられますが、1つには「必要以上に難しいと思い込んでいるだけ」という点があげられるでしょう。
税効果会計は、決して難しい論点ではありません。今までさんざんやってきた見越し繰り延べの1つに過ぎません。3級論点の延長です。ところが聞き慣れない用語が登場するせいか難しく感じやすいのです。
まずは苦手意識、食わず嫌いをなくしましょう。
2つめは、テキストがよろしくありません。
市販1級テキストは、会計基準をベースに、これをかみ砕いて書かれています。ところが、こと税効果会計に限っては会計基準があまりよろしくないのです。ちょっと誤解を生みやす表現というかなんというか(これについては後述します)。テキストは、それをそのまま噛み砕いちゃったもんだから分かりにくくなっているのです。
あと、もう一点よろしくないのは、テキストの解説が部分的すぎることです。過去問レベルの問題を解くには、全体像としての税効果会計の理解が必要です。その点で、テキストだけを学習しても、なかなか過去問が解けないのです。それが難しさを感じさせる一因になっています。
勉強の順序を変えるといいです。
ざっくり、全体像と仕組みを知りましょう。それが分かったら、いきなり過去問レベルの問題をやりましょう。やり方さえ知ってしまえば、簡単に解けます(このブログで解き方をお教えします)。とにかく解けること、本試験に対応できることを優先します。すると税効果会計が何をするものなのかが分かります。
そして、そのあとにしっかりと個々の論点、部分的な会計処理を学びましょう。
よくある簿記の学習順序というのは、まずは個々の論点を知り、設例レベルの問題を練習し、最後に総合問題にステップアップするというものです。しかし、こと税効果会計に限っては、逆順をおすすめします。その方が習得しやすいからです。
では、ざっくりと税効果会計の概要から見ていきましょう。
税効果会計は前払家賃と一緒
税効果会計って、要するに3級で勉強する前払家賃と一緒です。いや、正確にはかなり違うのですが、まあ、細かいことはいいです。ざくっとイメージをつかみましょう。
当社は、あるテナントを1年間借りることにしました。家賃は、月額10万円、年間120万円です。6月30日に1年分の家賃を前払いで支払いました。支払日、決算日(3/31)、翌期首の仕訳を示しなさい。
仕訳は以下のとおりです。
| 日付 | 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 支払日(6/30) | 支払家賃 | 120 | 現金預金 | 120 |
| 決算日(3/31) | 前払家賃 | 30 | 支払家賃 | 30 |
| 翌期首(4/1) | 支払家賃 | 30 | 前払家賃 | 30 |
ちょっと整理してみましょう。
貸主からは120万円の請求をされました。これは払うしかありません。「当社は3月末に決算を迎えるので当期中の費用90万円のみ払いたい」とか通用しません。貸主からすれば、そんなの知るかって話です。
なので、当社はいったん120万円を費用処理しておいて、そのあと、会計上のあるべき費用に修正仕訳をすると。そういう流れになるわけです。それが「前払家賃30/支払家賃30」ですよね。
すると、損益計算書には費用として「支払家賃90」が、貸借対照表には資産として「前払家賃30」計上されるわけです。これには、当期に発生した会計上の費用は90万円ですよという意味と、来期支払うべき家賃30万円を前払いしていますよという意味があるわけです。
ここまで、3級の定番論点、支払家賃の話、しっかり思い出してください。
では税金を前払いするとどうなる?
さて、税効果会計です。
税務署から税金120万円の納付書が送られてきました。しかし、会計上の計算にもとづけば当期の税金は90万円のはずです。30万円は、翌期に発生する税金です。さてどう仕訳しますか?
仕訳
| 日付 | 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 当期末(3/31) | 法人税等 | 120 | 未払法等 | 120 |
| 繰税資産 | 30 | 法税等調 | 30 | |
| 翌期末(3/31) | 法税等調 | 30 | 繰税資産 | 30 |
*未払法等:未払法人税等
*繰税資産:繰延税金資産
*法税等調:法人税等調整額
さきほどの前払家賃の仕訳と比較しながら考えてみてください。まず税務署から120万円の請求をされました。これは納めるしかありません。「当社の計算によれば税金は90万円のはずなので、90万円のみ払いたい」とか通用しません。税務署からすれば、そんなの知るかって話です。税務署は税務署の理屈で法人税等を計算します。それによれば120万円なのです。
なので、当社はいったん120万円を費用処理しておいて、そのあと、会計上のあるべき費用に修正仕訳をすると。そういう流れになるわけです。それが「繰延税金資産30/法人税等調整額30」です。
繰延税金資産≒前払家賃、法人税等調整額≒支払家賃と読み替えれば、さきほどの仕訳とよく似ていることが分かるでしょう。
損益計算書では「法人税等120−法人税等調整額30=90」が、貸借対照表には資産として「繰延税金資産30」が計上されるわけです。これには、当期に発生した会計上の法人税等は90万円(=120万円−30万円)ですよという意味と、来期支払うべき税金を30万円分前払いしていますよ、という意味があるわけです。
先ほどの仕訳との相違点は、科目名と仕訳をするタイミングです。あとはほぼ同じです。細かいことはさておき、まずは、大枠でざくっと税効果会計のイメージをつかんでください。
税効果会計の超簡単な問題
では、簡単な問題を。
決算日において、課税所得に対して50,000円の法人税等を計上する。当期末の将来減算一時差異は20,000円、法定実効税率は30%である。仕訳を示しなさい。
仕訳
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
| 法人税等 | 50,000 | 未払法等 | 50,000 |
| 繰税資産 | 6,000 | 法税等調 | 6,000 |
さっきの仕訳と考え方は同じですよね。ただ1点違うのは「将来減算一時差異」という謎の用語が出てくること。これも細かいことは後述しますが、とりあえず「将来減算一時差異 × 税率」が翌期に繰り延べる前払費用の額だと思ってください。ということで上記の問題を読み替えるなら、
決算日において、税務署から50,000円の法人税等を納付しなさいと言われた。当社の会計上の利益から税金を計算すると当期44,000円、来期6,000円のはずなのだが、税務署は全て当期の税金という見解のようだ。
ということです。これなら、上記の仕訳も納得できるでしょう。
さて、なぜ6,000円ズレたのでしょうか。
これは、会計上、当期の費用として処理した20,000円を、税務署が認めてくれなかったことで生じています。ただし、税務署も翌期以降には認めてくれます。そこで、20,000分×税率30%=6,000円分だけ余計に税金を納めておいて、それを繰延税金資産(前払税金)として処理するわけです。なぜ、税務署が認めてくれなかったのかは、後述します。
ちょっと視点を変えて貸倒引当金の話
ここで、ちょっと視点を変えて、貸倒引当金の設定を考えてみましょう。え、全然関係なくね?と思った方も、ちょっとお付き合いください。関係ありますから。
貸倒引当金って、要するに売上債権について、これくらい貸し倒れそうだなっていう金額を引き当てておくってことですよね。で、ですね、売上債権なんていうのは日々、発生しては回収してを繰り返しているわけです。ですから、今日100万円掛けで販売したとして、その直後に別の債権100万円を回収したなんてこともあるわけです。
このケース、貸倒実績率が1%なら、次のような仕訳になります。
売掛金 100/売上 100
貸倒引当金繰入 1/貸倒引当金 1
で、回収した分は次の仕訳です。
現金 100/売掛金 100
貸倒引当金 1/貸倒引当金戻入 1
でもね。実際は、そんないちいち掛販売したり回収するつど貸倒引当金なんて動かさないでしょ。どうやります?
期末に一括して、いくら売上債権があるかによって貸倒見積額を算定するじゃないですか。さらにですよ。期首時点でそもそも貸倒引当金が設定されていたら、その額との差額をとって、それを当期の費用なり収益にするでしょ?つまり、決算時に1回しか、貸倒引当金の設定ってしないでしょ?
これ、よく覚えておいてください。
税効果会計も同じく決算時に行う
で、税効果の話に戻って。
テキストでは、会計上と税務上で費用認識の異なる項目を取り上げて個別に解説をしています。例えば、会計上は費用だけど、税務上は損金として認めてくれない項目(貸倒引当金繰入の超過額とか退職給付費用とか、ほかにもたくさんあります)を1つ1つ取り上げて、解説し、それぞれに仕訳と設例が用意されているのです。
こういうのは、いったん忘れてください。こういう設例やって、そのあといきなり本試験問題やると訳わからなくなります。
なぜか。
実際は、会計上と税務上で費用認識の異なる項目が発生したからといって、その都度仕訳なんてしないからです。
貸倒引当金と一緒です。貸倒引当金は、決算時にまとめて貸倒見積額を算定して処理しますよね。そして、すでに期首の時点で貸倒見積額(=前TBの貸倒引当金)があるなら、期首と期末の差額をとって貸倒引当金繰入(ないしは戻入)で処理しますよね。税効果会計もこの貸倒引当金の差額補充法と全く同じ考え方をするのです。
ここ、大事なのにテキストにはあまり書かれていません。個々の処理の解説ばかりが中心になっちゃっている。だから分かりにくいのです。
実践的にも、試験的にも大切な考え方は、個々の処理の話はいいから、要するに、会計上と税務上で期末時点でいくらズレている?期首時点では?というのを計算することなのです。そして差額を法人税等調整額で計上すればいいだけです。
もう少し実践的な問題
では、さきの問題をもう少し難しくします。
決算日において、課税所得に対して50,000円の法人税等を計上する。当期末の将来減算一時差異は20,000円、法定実効税率は30%である。なお、決算整理前残高試算表には繰延税金資産が1,500円計上されている。仕訳を示しなさい。
仕訳
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
| 法人税等 | 50,000 | 未払法等 | 50,000 |
| 繰税資産 | 4,500 | 法税等調 | 4,500 |
もう、分かりますよね。期末時点に計上すべき繰延税金資産は20,000×30%=6,000です。しかし、期首時点ですでに1,500計上済みです。ですから、差額を取って、
「繰延税金資産4,500/法人税等調整額4,500」という仕訳になるのです。
「期末の売掛金は20,000円で貸倒実績率30%、決算整理前残高試算表の貸倒引当金は1,500円である」というケースで「貸倒引当金繰入4,500/貸倒引当金4,500」と仕訳切るのと同じです。
長くなったので、とりあえずこの辺でいったん終わり。
続きは明日以降書きます。
税効果会計講義インデックス
全部で6回の講義です。
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簿記一級も超直前期であれもこれもと迷っています。難問と言われる回の過去問を除き、基本的な回の過去問を1から3つくらい完璧にすることに力を注ぐのが一番でしょうか。。どの回もだいたい7.8割は取れてるので中途半端なんですよね、、今の状況がものすごく、、。
そうすると、残るは事業分離の連結だのストックオプションの難しい回だのと、そこまでは自分でもやらなくていいような気がしてるものが残るので合格率の高い回とかでやはり満点とれる回の過去問を増やすべきですかね。予想問題はやりません、記事読みました
たろさんの現時点での進捗状況や実力、そしてウィークポイントなどが分かりません。そんななか、適当なアドバイスはちょっと出来かねます。ごめんなさい。
ですから、たろさんに向けてではなく、あくまでも一般論として過去問に対する取り組み方をお話しますね。
過去問演習で、なんといっても一番良くないのが「解く作業」をこなすというモードに入ることです。これでは何周してもあまり効果はありません。
そもそも、本試験問題ができるようになるまでには、次の3つのステップをクリアする必要があります。
ステップ1 テキストで論点についての知識を持つ
例えば、標準原価計算であれば、どういう概念で、計算処理や記帳方法にはどのような方法があって、差異分析のやり方はどうで、といった知識です。まず、これがないと何も始まりません。
ステップ2 基本問題や設例を通して理解をする
いくら知識があっても、理解を伴っていないと上っ面のやり方を覚えるだけになってしまいます。テキストと全く同じ問題が出ればいいでしょうけれど、少しでもひねられたり、問われ方がいつもと異なるだけで解けなくなってしまいます。なぜ、そういう計算をするのかを基本問題や設例を通して学びます。
ステップ3 本試験レベルの問題を解く
知識があって、理解しているからといって問題が解けるかというとそうでもないわけです。問題文はたいてい長文です。読み落としもあるでしょう。いざ解こうと思っても、問題のどこから手をつければよいのか分からない(糸口が見つからない)ということもあるでしょう。
解き方がわかっても、どう整理して下書きを書けばいいのか分からない、下書きがグチャグチャということもあります。また、仮に解けたとしてもやたら時間がかかってしまってタイムオーバーになることもあります。ケアレスミスをしてしまうとかも考えられます。
時間内に正解にたどりつくためには、自分の解き方や下書きの”型”を作り、何度も練習する必要があります。
論点ごとに、いま自分の実力は、上記のどのステップにあるのかを分析しましょう。そして、レベルにあった学習をしましょう。基礎知識もあやしい(=ステップ1レベル)のに、本試験問題(=ステップ3レベル)に取り組んでもあまり良い効果は出ないのです。
ここまでは一般論です。
ここからは、超直前期である現時点でのおすすめ学習法です。
まず、ステップ1レベルにある論点は切った方がいいです。今からやってもほぼ間に合いませんし、中途半端に不安がつのるだけだと思うからです。
現時点でやるべきは、だいたい理解しているけど、ちょっと不安という論点を強固にすることです。ただし頻出論点と重要論点だけでいいです。出ない論点やっても意味薄いです。
それから、得意だけどちょっと時間かかるかなという論点を瞬殺できるように練習するのもおすすめです。自信もつきますし。
頻出論点・重要論点ベスト3は、1.連結、2.企業結合、3.純資産会計です。
市販のテキストで簿記1級を独学で勉強している者です。
富久田先生のブログが手持ちのテキストとは比較にならないほどわかりやすいので感動して全記事を読み漁っています。
(先生の著書も即購入しました)
ありがとうございます。
>実践的にも、試験的にも大切な考え方は、個々の処理の話はいいから、要するに、会計上と税務上で期末時点でいくらズレている?期首時点では?というのを計算することなのです。そして差額を法人税等調整額で計上すればいいだけです。
につきまして、質問させてください。
税効果会計の記事についても第6回まで読んだのですが、第4回で、法人税等調整額が相手勘定にならない繰延税金資産(または繰延税金負債)が紹介されていました。それ自体は納得したのですが、例えば最後の設例が次のような状況であった場合に法人税等調整額を前期末の繰延税金資産と当期末の繰延税金資産の残高の差額から求めることはできないのではないかと思いました。
その理解で正しいか、お忙しいところ恐れ入りますがご教示いただけると大変ありがたいです。
[設定]
・前期末繰延税金資産1,500
(うち、120は前期末、その他有価証券評価差額金が▲400発生したので、
その他有価証券評価差額金400 / その他有価証券400
繰延税金資産120 / その他有価証券評価差額金120
と仕訳を入れた際に発生した繰延税金資産とする。法人税率は30%とする。)
・当期末将来減算一時差異20,000、繰延税金資産6,000 (なお、その他有価証券評価差額金等、法人税等調整額が仕訳に現れない一時差異は発生していないものとする)
当期計上する法人税等調整額はいくらになるか?
[解答]
前期末と当期末の繰延税金資産の差額は4,500(6,000-1,500)ですが、当期計上する法人税等調整額は4,500とはならず、4,620 (=6,000-(1,500-120))になるかなと思います。
∵
【当期首の仕訳】(前期末の振戻、洗替法を採用しているとする)
その他有価証券400 / その他有価証券評価差額金400
その他有価証券評価差額金120 / 繰延税金資産120
法人税等調整額1,380 / 繰延税金資産1,380
【当期末の仕訳】
繰延税金資産6,000 / 法人税等調整額 6,000
第150回の会計学問題2、状況4の問題を解いていて、過去問の解答解説では繰延税金資産の前期末と当期末の差額から法人税等調整額の金額を求めていましたが、上記のように、前期末の繰延税金資産や当期末の将来減算一時差異の中に、その他有価証券評価差額金の発生によるものが含まれていたら、この計算は成り立たないのではないかと思い、出題者の条件記載不足ではないかと思った次第です。
>例えば最後の設例が次のような状況であった場合に法人税等調整額を前期末の繰延税金資産と当期末の繰延税金資産の残高の差額から求めることはできないのではないかと思いました。
そのとおりです。法人税等調整額は、PLに計上されますから、PLの科目に係る税効果だけが対象です。その他有価証券評価差額金のような評価・換算差額等(純資産)に係る税効果は、法人税等調整額に影響を与えません。
本記事は、税効果会計の問題を解く時の根本的な考え方(個々の税効果の仕訳を考えるのではなく、期末の差異にもとづいてまとめて処理する)を理解してもらうべく執筆しています。ここに例外的な事例を持ち込むと、話の筋が逸れるため、あえてこのページでは、評価差額に係る税効果の話には触れていません。
現実に、試験問題を解く時は、評価・換算差額等(純資産)に係る繰延税金資産や繰延税金負債は分離して処理します。
また、sengoさんの書かれている設定と回答もあっています。そのとおりです。
>第150回の会計学問題2、状況4の問題を解いていて<中略>出題者の条件記載不足ではないかと思った次第です。
厳密に言えば、そのとおりですね。「評価差額に係る一時差異は無い」という条件が必要じゃないかということですよね。「出題者の条件記載不足」といえば、まあそうかもしれません。
でも、なんと言うんでしょう。このあたりの問題文に書かれていない条件設定について、○○の可能性がある、ということを言い出すと、きりがないというか、そこにハマると学習効率が落ちるので、試験対策的には「書かれていないことは考えない」というスタンスでいいと思います。
(なお、素朴に疑問に思われることは、とても良いことです。)
お忙しいところ、早速ご教示くださりありがとうございました。
評価・換算差額等(純資産)に係る繰延税金資産や繰延税金負債は分離して処理するという考え方で合っているということがわかり、モヤモヤが解消されました。
試験では書かれていないことは考えない、というスタンスで取り組もうと思います。
ありがとうございました。
pro-bokiさん こんにちは。今、不安でいっぱいなので思い切って質問するのでねこ耳の事も助けていただけたら嬉しいです。
pro-bokiさんが上記で たろさん に仰られている
「過去問演習で、なんといっても一番良くないのが「解く作業」をこなすというモードに入ることです。これでは何周してもあまり効果はありません」
の中の「解く作業をこなす」ということがどういう状況を示すのかがわからないのです。
私は昨年の7月から過去問1回分につき8回位解いてきました。脳内セルフカンニングが起きてしまう位です。最近は過去問1回分をフルで解かず
「この系統の問題では自分が何に混乱しやすいのか」や「この仕訳をする事の影響と 、しないことでの不都合」等を考えながらチェックしています。同時に、使用しているテキストと対になっている問題集を基本問題からやり直しています。「解く作業をこなす」の意味を教えていただけないと、私の「過去問15回分×8回」は
もう仕方が無いとしても、今の学習計画のままでこの先の日々を過ごして良いのか不安なままです。「解く作業をこなす」の意味を教えてください。(ねこ耳はもう不合格はイヤなのです) 今年の6月の試験を目標にしているので、その時迄ほったらかしにされたら ねこ耳 また不合格かも・・・
以上です。では、失礼いたします。
同じ問題を何度も解いていると、あまり考えなくても解けるようになってしまいます。この数値とこの数値をこうやって、このタイミングで、按分すればいいとか。そういう感じ。これって、単に、その問題の解き方を覚えちゃっていて、手順をなぞっているだけです。こういうのを「解く作業をこなす」と言っています。
と言っても自覚するのは難しいかもしれません。
目安として、次の2つをクリアしていればOKです。
1.その問題において一部の条件を変えられても自信を持って解けるか?
2.なぜ、そのような処理をするか言語化出来るか?
逆に言えば、次の2つがクリア出来ていないのに3回以上解いているゆえに解けてしまうのなら、解く作業をこなしている可能性が高いです。
ちなみに”言語化”というのは、本ページは税効果のページなのでそれを例にすると…
「当期純利益は5,000円、当期首における繰延税金資産は100円、当期末における損金不算入額は1,000円(うち200円は罰則金である)、法定実効税率は30%である。仕訳を示しなさい。」
という問題があったとします。
答えは、次のとおりです。
法人税等1,800円/未払法人税等1,800円
繰延税金資産140円/法人税等調整額140円
ここで、なんとなく、こうなるじゃなくて、
まず、当期の法人税等を求めるためには、課税所得を求めなければならない。
課税所得は、当期純利益5,000円に対して損金不算入の額1,000円を足したものだから6,000円。
税率が30%だから、法人税等は、6,000円×30%=1,800円
これが1行目の仕訳。
次に、税効果だけど、これは、一時差異にしか適用されず、損金不算入額1,000円のうち200円は永久差異だから対象となるのは800円だけ。税率が30%だから期末の繰延税金資産は800円×30%=240円
期首の繰延税金資産が100円なので、仕訳は差額の140円だけ繰延税金資産を増額すればいい。
それが2行目の仕訳。
という感じです。処理をすべて言葉にしていますよね。
会計用語の勉強にもなるし、何しろ計算手順をきちんと理由を付けて言葉に出来るなら、それは理解しているということです。
言葉には出来ないけど、何となくのタイミングでこのあたりでこれとあれを合計して、みたいな感じだと単にやり方を覚えているだけで、ひねられたり条件が変わってしまうと解けなくなります。そういうのは時間の無駄になってしまいます。
ねこ耳と申します(2)。pro-bokiさん こんにちは
そして すみませんでした。自分の状況にあせるあまり とても厚かましいお願いをしてしまいました。にも関わらずとても丁寧に説明をして下さり 感激中です。
解き慣れた問題を解く時 手順は何故かいつも忘れています。ただ 電卓で集計ミスをした時等に結果の金額に違和感があってやり直す事があります。正解の金額だけがイメージとして残ってしまう事があるのです。
時間を気にせずに問題を解く時 自分自身に言葉で説明する癖があるのですが 有効な方法だと知って ホッとしています。(自分はただのうるさい人だと思ってました)
ちなみに pro-bokiさんが例としてあげてくれた問題は 見てすぐに解けました。
新しい問題は まっさらな気持ちで挑戦出来るので ドキドキするけど楽しくて好きです。
また長文になってしまいましたが 本当に(×5)
ありがとうございました。
以上です。では、失礼いたします。
お忙しい中申し訳ありません。”髪を結う位置”と申します。
簿記の学習を進める中で、混乱している点があり、質問させていただきました。
少し試験の内容から乖離している部分ではありますが、ご容赦いただきたく存じます。
<質問事項>
・繰延税金資産について、計上するメリットがイマイチつかめずにおります。
繰延税金資産を計上する事で、P/L上に法人税調整額が計上され、翌期以降、実際に支払う税金が少なくなるメリットは理解いたしましたが、もしこの企業(A社)が5分類に当てはまらない企業(繰延税金資産を計上できない企業)だった場合はどうなるのでしょうか。下記に例題を書いてみました。
(例)
A社は当期の税引前当期純利益1,000万だが、貸倒損失500万は税務否認になり、課税所得1,500万となる場合(税率40%)翌期も税引前当期純利益は1,000万を想定。
※繰延税金資産が計上できたならば、当期支払法人税等は600万・翌期は200万で合計800万の支払い。
(仮説1)
課税所得1,500万から600万の法人税等を支払う。5分類適用外のため、繰延税金資産は計上できず。
翌期は繰延税金資産の計上がなく、税引前当期純利益(=課税所得)の1,000万から600万を法人税として支払う。支払法人税等は当期600万・翌期400万で合計1,000万の支払い。
(仮説2)
5分類適用外のため、税務否認により、当期の税引前当期純利益は1,500万に修正される(貸倒損失の仕分自体を削除する)。税引前当期純利益(=課税所得)1,500万から600万の法人税等を支払う。もちろん繰延税金資産はない。翌期にあらためて貸倒損失を計上し、税引前当期純利益(=課税所得)500万から200万を法人税として支払う。支払法人税等は当期600万・翌期200万で合計で800万の支払い。
(考察)
仮説1の場合、繰延税金資産を計上することで支払う法人税が低くなるため、メリットがあるといえます。
仮説2の場合、支払う法人税の税額は変わらないため、繰延税金資産のメリットが感じられません。
実際の現場ではどのような処理になるのかご教授いただきたく、どうぞよろしくお願いします。
1.5分類という用語が登場しましたが、何の書籍で簿記1級を学習されていますか?書籍名とページ数を記載頂ければ調べてみます。(繰延税金資産の回収可能性の5分類のことですか?)
2.考察の仮説1の場合、支払う法人税等が低くなると書かれていますが、税効果会計を適用するかしないかで法人税等の額が変わることはありません。この点で、ご質問内容の前提に齟齬があるかもしれません。
3.「実際の現場ではどのような処理になるのかご教授いただきたく」とありますが、実務でお困りなら、御社の顧問税理士もしくは、会計士におたずねください。ここは、簿記1級受験生のサポートのために開設しているコーナーです。
pro-bokiさん、
お忙しい中、早速ご教授くださいましてありがとうございます。
ご返信いただきましてありがたく感謝いたします。
1,ご指摘の通り繰延税金資産の回収可能性の5分類を意味して記載しました。
2,学習しているテキストはネットスクール出版のサクッと受かるシリーズなのですが、わからないところをネットで調べるうちにどんどん深みにハマってしまったという状況です。
3,実際の現場でと書かせていただきましたのは、試験合格後に実際に経理業務に携わった場合に、どのように捉えるものなのかがわからなかったため、このように記載させていただきました。
あくまで簿記の学習の範囲内の質問としていたつもりです。
言葉が足りず、失礼いたしました。
ご回答いただきました内容から想定しますと、そもそも繰延税金資産はメリットのある無しで捉えるものではなく、5分類に当てはまった場合は繰延税金資産を計上し、当てはまらない場合は計上しないものだと捉えれば良いのでしょうか。
ネットであれこれ調べますと、「繰延税金資産は来季の税金支払を少なくできるメリットがある」と書かれているのですが、実際には繰延税金資産を計上しても、しなくても累計の税金支払額は同一金額になリ、金銭的なメリットは無いと捉えて良いのでしょうか?
>1,ご指摘の通り繰延税金資産の回収可能性の5分類を意味して記載しました。
もし、日商簿記1級合格を目的に学習されているならば、5分類については全く気にされなくて大丈夫です。
>2,学習しているテキストはネットスクール出版のサクッと受かるシリーズなのですが、わからないところをネットで調べるうちにどんどん深みにハマってしまったという状況です。
なるほど。サクッとですと、解説が簡略化されており、結論しか書かれていませんので、より詳しく学習されるのであれば、TAC社の合格テキストの方が良いかもしれません。若干、読みにくさもありますが詳しいです。
ネットで検索をするのも良いのですが、まず、信用できる情報かどうかを見極めるのが難しく、また、そもそも自分が調べようとしている事柄にフィットした情報を探し出すのにかなりの手間がかかります。それであれば、情報として信用が担保されている市販書籍を購入されて、それをじっくり読んだほうがよほど有用ですし、また、時間短縮になると思います。
>3,実際の現場でと書かせていただきましたのは、試験合格後に実際に経理業務に携わった場合に、どのように捉えるものなのかがわからなかったため、このように記載させていただきました。
実際の現場というのは、合格後の話ですか。まあ、とりあえず、それはおいておいて良いのではないでしょうか。
税効果会計は、監査の入る上場企業、大企業(資本金5億円以上または負債総額200億円以上)が対象であり、それ以外は適用対象外です。該当企業の経理部にお勤めなのであれば必要ですが、その場合でも会計士と相談しながらという形になると思います。
>ご回答いただきました内容から想定しますと、そもそも繰延税金資産はメリットのある無しで捉えるものではなく、5分類に当てはまった場合は繰延税金資産を計上し、当てはまらない場合は計上しないものだと捉えれば良いのでしょうか。
まずは、5分類うんぬんは忘れてください。枝葉ですから。上記のとおり、税効果会計を適用するかどうかは、監査の入る上場企業や大企業かどうかで決まります。5分類は、全然違う話で、計上した繰延税金資産に資産性(回収可能性)があるかどうかのチェックの話です。
本筋として、税効果会計は、企業会計と税務会計のルールの相違によるズレを会計上のルールにあうように調整している手続きです。損するとか得するというレベルの話では全然ありません。
多分ですが、税効果会計のそもそもの目的とか前提からずれてしまっており、迷走されているように思えます。余計なネットの情報はさておき、まずは、基本からしっかり学びましょう。税効果会計ならいまは2級論点なので、Youtubeなどでも解説動画があがっていると思います。youtubeにはあまり詳しくないのですが、いくつか見た限りでは、ふくしままさゆきさんの動画は本質をついていて分かりやすいと思いました。あと、よせだあつこさんは書籍を執筆されていますし、くろいさんは会計士で講師もされているので、このあたりの講義は信頼性も高く、よろしいのではないかと思います。(念の為、上記にあげた方々とは何の接点もありません)