本試験直前にとっておきのワザを1つ授けよう

いよいよ明日は本試験
もうね、あまり難しい問題に手を出してはいけないよ。SPCだとか特殊商品売買のパズル問題だとか。そんなのはもうやらなくていい。それから、逆取得だとか、包括利益だとか…すでに理解出来ているならいいけれど、苦手意識あるなら、もういいから。今更やっても、修得まで時間掛かるし、そもそも、そのあたりの論点は、もし出題されても埋没可能性高いから。
そんなことより、今やるべきことは基本問題の確認だ。案外、つまづきやすいのが2級レベルの論点だ。例えば銀行勘定調整表、大丈夫?瞬殺できる?秒速で解いてよ。こんなんで、いちいち悩んでいるようだったら、いくら包括利益の問題が解けても意味ないからね。
例えば、社債。これも瞬殺できる?2級レベルの買入償還とか、案外苦手にしている人、多いんじゃない?ちょっとミニテストをしてみよう。
社債のミニテスト(2級レベル)
では、簡単なミニテストをやってみよう。2級レベルの基本問題だ。まずは自分の実力チェックに使ってほしい。制限時間は3分だ。
問題(過去問第108回商業簿記)と解答
当社の当期の決算日は平成16年9月30日である。平成13年4月1日に額面総額 5,000千円,発行価額1口 100円につき 95円,利率年1%,利払日3月末 日および9月末日,期間5年の条件で発行した普通社債のうち,額面総額 2,000千円を平成16年3月31日 に1口 100円につき 99円(裸相場)で買入償還を行った。当期の決算整理後の社債はいくらか?なお前期末の貸借対照表における社債は4,875千円である。
解答
2,955千円
解説
まず、某社発行の過去問題集に載っていた解説を紹介しよう。
買入償還時の処理
買入償還分の簿価
2,000千円×@95円÷@100円+{2,000千円×(@100円−@95円)÷@100円}×30ヶ月÷60ヶ月=1,950千円
買入償還分の償却原価
{2,000千円×(@100円−@95円)÷@100円}×6ヶ月÷60ヶ月=10千円
合計:1,950千円+10千円=1,960千円
仕訳
(借) 社債利息 10 (貸) 社債 10
(借) 社債 1,960 (貸) 現金預金 1,980
(借) 社債償還損 20
未償還分の処理
未償還分の償却原価
{3,000千円×(@100円−@95円)÷@100円}×12ヶ月÷60ヶ月=30千円
仕訳
(借) 社債利息 30 (貸) 社債 30
集計(解答)
4,875千円+10千円−1,960千円+30千円=2,955千円
講師のいいたいこと
こういう解説、鵜呑みにして、そのとおりに計算してたら受からない。
講師の解き方
償却原価率は5年で5%だから1年で1%だ。平成13年4月1日発行、当期末は平成16年9月30日だから、3.5年経過している。よって決算日時点では95%+3.5%=98.5%になっているはず。なお、期中に40%償還しているから、60%残っているはず。よって、期末の社債は
5,000千円×98.5%×60%=2,955千円
これでおしまい。1分で計算できる。どちらの解き方が早くて確実か、考えてみてほしい。
とっておきのテクニック
市販の過去問題集は、「正しく、網羅的に、秩序を持って」解説が執筆されている。だから、全ての仕訳を丁寧に切って、それらを集計していくことで、決算整理後の残高を求める方法を記載している。
正しい。実に正しい。それが本来の簿記における処理方法だと思う。何ら批判を受けるべきものでもない。
でもだよ。試験においても、その手順を踏むのがベストなんだろうか。いま、求められているのは、決算整理後の社債の額だけだよ。それにも関わらず、途中経過の仕訳も全て行うべきなんだろうか。
試験は、限られた時間内に、聞かれたことを正確に答えた者が勝者となる。時間は無制限ではない。無駄なことをした者はそれだけ不利になる。そして、無駄な作業は、それだけ手数が多くなることだから、結果、ケアレスミスも誘引される。ろくなことはない。
だから、大事なことは、「この問題では何を聞かれていて」「そのためには、何をしなければならないのか」と同時に「何を省略できるのか」ということを意識することだ。
本問のように、期末残高が聞かれているなら、それだけ計算すればいいのだ。期中の償還額や、ましてや償還損など計算する必要はない。
本当であれば、こういう総合問題でのスピードアップテクニックは普段から練習しておくべきだ。でも、まあ、この社債(特に定額法)の時短テクだけでも、今覚えれば明日有用なので是非使ってほしい。
繰り返すが、問題に取り組むときは、先に答案用紙を見て、何を問われているかを確認して、無駄な計算をしないことを意識してほしい。
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- 本試験直前にとっておきのワザを1つ授けよう 2017年6月10日
“本試験直前にとっておきのワザを1つ授けよう” に対して2件のコメントがあります。
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はじめまして。税理士資格簿記論を学習している最中で、いつも参考させていただいております。
専門学校等の「習うより慣れろ」、ひたすら「トレーニングを解きましょう」という風潮が肌に合わない中、とてもわかりやすい解説ありがとうございます。
かなり前の記事への質問で大変恐縮ですが、償却原価法の処理方法が利息法の場合も何か時短テクニックはあるのでしょうか?
あります。
ざっくり言えば、社債の簿価リストを作ってください。そのリストから答案要求されている数値を拾うのです。慣れると瞬殺できます。なお、簿価リストは、「期末簿価=期首簿価×(1+実効利子率)−クーポン」を繰り返せば簡単につくれます。
また、利払いが年2回なら、実効利子率は2分の1にして、半年複利で計算します。また、利払日と決算日がズレているときは一工夫必要ですが簡単です。いずれにしても、償却原価法が利息法なら瞬殺できます。(定額法より簡単なくらいです)