みんな大好き!包括利益・実践編2

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本試験で得点をゲットするための包括利益解法テク

さきの基本問題に続いて、今度は少し応用編だ。のれんと剰余金の配当があるケースを見てみよう。さきのケースと比べてどこが異なるのかに注目してほしい。

問題2(剰余金の配当あり・のれんあり)

P社はS社の発行済株式総数の80%を前期末に90,000で取得し支配を獲得した。資料にもとづいて以下の問に答えなさい。

資料1 P社とS社の個別財務諸表上の純資産の推移
  前期末 当期末
P社 資本金 200,000 200,000
利益剰余金 100,000 150,000
評価換算差額等 20,000 30,000
S社 資本金 55,000 55,000
利益剰余金 40,000 60,000
評価換算差額等 5,000 7,000
資料2
  • 支配獲得時のS社の資産と負債は、簿価と時価が一致していた。
  • のれんは10年間で定額償却する。
  • 当期中にP社は10,000、S社は6,000の剰余金の配当を行っている。
  • 便宜上、税効果会計は適用しない。

設問

設問1 連結損益計算書に計上される以下の金額を答えなさい。
  1. 当期純利益
  2. 非支配株主に帰属する当期純利益
  3. 親会社株主に帰属する当期純利益
設問2 連結株主資本等変動計算書(一部)を完成させなさい。
  利益剰余金 その他の包括利益累計額 非支配株主持分
当期首残高
当期変動額
当期末残高
設問3 連結包括利益計算書を完成させなさい。
<連結包括利益計算書>
当期純利益
その他の包括利益
包括利益
<内訳の注記>
親会社株主に係る包括利益
非支配株主に係る包括利益

解答と解説(クリックで開きます)

解答

設問1 連結損益計算書
  1. 当期純利益:80,200
  2. 非支配株主に帰属する当期純利益:5,200
  3. 親会社株主に帰属する当期純利益:75,000
設問2 連結株主資本等変動計算書(一部)
  利益剰余金 その他の包括利益累計額 非支配株主持分
当期首残高 100,000 20,000 20,000
当期変動額 65,000 11,600 4,400
当期末残高 165,000 31,600 24,400
設問3 連結包括利益計算書
<連結包括利益計算書>
当期純利益 80,200
その他の包括利益 12,000
包括利益 92,200
<内訳の注記>
親会社株主に係る包括利益 86,600
非支配株主に係る包括利益 5,600

解き方

前の問題に比べて、本問は、のれんの発生と剰余金の配当がある点で難易度が高くなっている。特に剰余金の配当は混乱しやすいところなので、注意深く解説を読んで、確実にマスターしてほしい。

Step.1 個別上の当期純利益と(当期発生の)その他有価証券評価差額金を求める

前の問題と同様に個別財務諸表上の当期純利益とその他有価証券評価差額金を求める。当期純利益は、以下の式で求めること。

当期純利益=期末利益剰余金−期首利益剰余金+剰余金の配当額

上記式により、

P社当期純利益:150,000−100,000+10,000=60,000
S社当期純利益:60,000−40,000+6,000=26,000
P社当期発生のその他有価証券評価差額金:30,000−20,000=10,000
S社当期発生のその他有価証券評価差額金:7,000−5,000=2,000

Step.2 のれんの算定
  • P社持分:(資本金55,000+利益剰余金40,000+評価換算差額等5,000)×80%=80,000
  • 取得原価:90,000
  • のれん:90,000−80,000=10,000
  • のれん償却額:10,000÷10年=1,000
Step.3 次のようなワークシートを作成する

ここが一番大事。これさえ作れればあとは機械的な作業。

*1 P・P:P社株主に帰属するP社の利益
*2 P・S:P社株主に帰属するS社の利益
*3 非・S:非支配株主に帰属するS社の利益
*4 S社当期純利益26,000×親株持分80%=20,800
*5 S社当期純利益26,000×非株持分20%=5,200
*6 S社その他の包括利益2,000×親株持分80%=1,600
*7 S社その他の包括利益2,000×非株持分20%=400

  P・P*1 P・S*2 非・S*3 合計
当期純利益 a.60,000 b.20,800*4 c.連結P/L
非株帰属利益
5,200*5
連結P/L・C/I
当期純利益
80,200
d.Sの配当
△4,800
   
e.のれん償却
△1,000
   
その他の包括利益 f.10,000 g.1,600*6 h.400*7 連結C/I
その他の包括利益
12,000
合計 連結C/I
Pに係る包括利益
86,600
連結C/I
Sに係る包括利益
5,600
連結C/I
包括利益
92,200
Step.4 連結損益計算書(P/L)を作る

連結P/L・当期純利益:当期純利益の合計 80,200
連結P/L・親株帰属利益:
 a.60,000+b.26,000-d.4,800-e.1,000=75,000 もしくは
 当期純利益80,200−c.5,200=75,000

Step.5 連結株主資本等変動計算書(S/S)を作る

【利益剰余金】

  • 当期首残高:前期末に支配を獲得しているため当期首時点では、P社の利益剰余金しかないため、P社前期末利益剰余金100,000である。
  • 当期変動額:連結P/L・親株帰属利益75,000-剰余金の配当10,000=65,000を計上する。
  • 当期末残高:100,000+65,000=165,000→連結B/Sの利益剰余金へ

【その他の包括利益累計額】

  • 当期首残高:前期末に支配を獲得しているため当期首時点では、P社のその他の包括利益累計(個別財務諸表の評価換算差額等)しかないため、P社前期末評価換算差額等20,000である。
  • 当期変動額:f.10,000+g.1,600=11,600を計上する。
  • 当期末残高:20,000+11,600=31,600→連結B/Sのその他の包括利益累計額へ

【非支配株主持分】

  • 当期首残高:前期末に支配を獲得しているため当期首時点では、前期末S社の純資産(55,000+40,000+5,000)×20%=20,000
  • 当期変動額:連結C/IのS社に係る包括利益5,600-剰余金の配当6,000×20%=4,400
  • 当期末残高:20,000+4,400=24,400→連結B/Sの非支配株主持分へ

みんな大好き!包括利益・実践編2” に対して5件のコメントがあります。

  1. 槍男 より:

    包括利益の新記事拝見いたしました。
    包括利益の事が何だか好きになれそうです。

    のれんの処理に関しての追加資料があれば更にいいと思います。僕は基準にならって20年償却でやりましたが、やはり非支配株主持分とその他の包括利益だけ正解でした(笑)

    1. pro-boki より:

      のれんは、10年償却のつもりで作問したのですが、書くのを忘れてました。ご指摘ありがとうございます。

  2. 理屈屋 より:

    このページのコメント欄でいいのかわからない上に、プロ簿記生でもないので恐縮ですが、質問よろしいでしょうか?

    在外子会社の為替換算調整勘定とのれんについて

    ドル換算レート 期首@90円 期中平均@100円 期末@110円
    親会社の持分比率 60%
    当期首に支配獲得、連結会計において、のれんが10ドル発生、発生年度より10年で償却

    円換算した子会社当期末個別B/S(一部)
    純資産
    資本金 19800
    利益剰余金 4950
    評価・換算差額等
    為替換算調整勘定 1000

    となった場合、他の取引がなかったとすると、
    990(期末のれん)-900(期首のれん)+100(償却分)
    で、為替換算調整勘定190
    のれんは株式を取得した親会社の資産なので下記持分比率の計算とは無関係

    個別B/Sの為替換算調整勘定を持分で分配
    個別B/S残高1000×親会社持分60%=600

    となり結果、

    当期末連結B/S(一部)
    純資産
    資本金 ○○○
    利益剰余金 ○○○
    その他包括利益累計額
    為替換算調整勘定 790
    非支配株主持分 10300

    となる、つまり、為替換算調整勘定は
    (個別B/Sの勘定額×親会社の持分比率)+のれん等親会社の取引で計上される勘定額=連結B/Sの勘定額
    という理解で合ってるのでしょうか?

    手持ちのテキストには仕訳や計算方法は書いてあるのですが、最終的に連結によりどう変化し、財務諸表のどの部分にどう表示されるべきか、がいまいち載っていなくて、完成形?がわかりません

    1. pro-boki より:

      >このページのコメント欄でいいのかわからない上に、プロ簿記生でもないので恐縮ですが、質問よろしいでしょうか?

      よろしくないです。

      何の問題か知らないけど(とはいえ、のれん990という数値には、見覚えがあって、確かこれ過去問のような気がする。143回だっけ?)、記事とは関係ない問題の解説お願い!っていうのは、マナー違反です。

      まあ、せっかく書いてもらったのであまり邪険にするのも何なので、一応、参考になるサイトを貼っときます。

      https://jicpa.or.jp/specialized_field/files/2-11-4-2-20141120.pdf

      こちらのP62の設例11をご覧ください。この問題のことでしょ?

    2. 理屈屋 より:

      大変失礼いたしました。
      143回の過去問と、いただいた資料、ありがたく読ませていただきます

      念の為、内容については、条件が揃っていた方が私の解き方の正否がわかりやすくなるかと思いそれらしい数字を適当に作ったもので、過去問でもないので日商の転載禁止にはあたらないと思います
      申し訳ありませんでした

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