日商簿記1級・最適セールスミックス確認テスト

最適セールスミックスの基本確認テスト
ささやんさんから作問リクエストを頂いたので作ってみました。最適セールスミックスは、条件を複雑にしていけばいくらでも難しく作れます。しかし、近年の傾向として、そのような問題の出題は減少しており、むしろ基本をしっかり理解しているかを問う傾向にあります。そこで、典型的な問題を作ってみました。
やさしい問題ですが、基礎がしっかり出来ていないと、引っかかるかもしれません。直前のチェックにいいと思います。是非、チャレンジしてみてください。
問題
当社は製品Aと製品Bを連続生産している。次の資料にもとづき、以下の問に答えなさい。
資料
| 機械加工時間 | 組立加工時間 | 販売数量上限 | 販売価格 | 原料費 | |
| 製品A | 0.5時間/個 | 1.5時間/個 | 2,800個 | 1,500円/個 | 200円/個 |
| 製品B | 1時間/個 | 1時間/個 | 3,400個 | 2,200円/個 | 400円/個 |
- 変動加工費は、機械加工が1時間あたり500円、組立加工が1時間あたり300円である。
- 機械加工時間の月間上限は5,000時間、組立加工時間の月間上限が7,000時間である。
- 月間固定費は200万円である。
問
- 最適セールスミックスを前提として月間営業利益を求めなさい。
- 来月は、機械メンテナンスを行わなければならなず、機械加工時間の上限が500時間短縮される予定である。この機械メンテナンスを行うことで月間営業利益は、いくら減少するか。
解答と解説
- 問1の答えは・・・(クリックで見えます)
-
問1 解答と解説
最適セールスミックスは、手順が大切です。必ず次の手順を守りましょう。
- 各製品共通の制約条件は何?
- 各製品の貢献利益は?
- 共通の制約条件単位あたりの貢献利益が大きい製品はどちら?
Step.1 各製品共通の制約条件は何?
製品Aと製品Bを販売数量上限いっぱいまで作ったとして、機械加工時間と組立加工時間がそれぞれどれくらい掛かるかを計算します。
機械加工時間:0.5時間×2,800個+1時間×3,400個=4,800時間(上限5,000時間)
組立加工時間:1.5時間×2,800個+1時間×3,400個=7,600時間(上限7,000時間)機械加工時間は上限内におさまっているものの、組立加工時間はおさまっていませんね。600時間オーバーしています。よって、各製品共通の制約条件は組立加工時間です。
Step.2 各製品の貢献利益は?
製品A:1,500円−(原料200円+機械500円×0.5時間+組立300円×1.5時間)=600円
製品B:2,200円−(原料400円+機械500円×1時間+組立工300円×1時間)=1,000円Step.3 共通の制約条件単位あたりの貢献利益が大きい製品はどちら?
製品A:貢献利益600円÷組立加工時間1.5時間=400円
製品B:貢献利益1,000円÷組立加工時間1時間=1,000円よって、製品Bを優先的に生産すればいいということが分かります。
Step.4 最適セールス・ミックス
製品Bを優先することが分かったので、製品Bは上限いっぱいまで作ります。
つまり製品Bは3,400個です。
すると、組立加工時間を3,400時間使うことになります。組立加工時間の上限は7,000時間ですから、余りは3,600時間(=7,000時間−3,400時間)です。この時間を使って、製品Aを作ります。
製品Aは、1個あたり1.5時間の組立加工時間を要します。
よって製品Aは、3,600時間÷1.5時間=2,400個です。Step.5 営業利益を求める
製品A:貢献利益600円×2,400個=144万円
製品B:貢献利益1,000円×3,400個=340万円
貢献利益合計:484万円求めるのは、営業利益なので、
貢献利益484万円−固定費200万円=284万円
- 問2の答えは・・・(クリックで見えます)
-
問2 解答と解説
問2も基本的な解法手順は、問1と同様です。問1の結果を流用しながら解いていきましょう。このように数字が少し変わるだけで解き方が変わってしまうのが最適セールス・ミックスの特徴です。
Step.1 共通の制約条件を確認する
問1との相違点は、機械加工時間が500時間減ってしまう、という点です。すると、機械加工時間の上限は4,500時間となります。問1のStep1から、製品Aと製品Bを販売数量上限いっぱいまで作ると機械加工時間は4,800時間必要なわけですから、機械加工時間も共通の制約条件となるわけです。
Step.2 共通の制約条件単位あたりの貢献利益が大きい製品はどちら?
機械加工時間を基準として、単位あたり貢献利益を計算すると
製品A:貢献利益600円÷機械加工時間0.5時間=1,200円
製品B:貢献利益1,000円÷機械加工時間1時間=1,000円よって、製品Aを優先的に生産すればいいということが分かります。
問1のStep.3から、組立加工時間を基準とすると製品Bを優先的生産すればいいことが判明しています。このように、共通の制約条件が2つあって、それぞれの制約条件によって優先する製品が異なる場合があります。この場合は、線形計画法(LP:リニア・プログラミング)を用いて計算します。
Step.3 線形計画法における立式
目的関数:600A+1,000B を最大にすること
制約関数:
0.5A+B≦4,500・・・①
1.5A+B≦7,000・・・②
0≦A≦2,800
0≦B≦3,400Step.4 LPの傾きによる解法
テキストでは、グラフを描画し、交点を求め、各交点における貢献利益を求めて、試行錯誤的に最大値を探す方法が記載されています。
しかし、ここでは、もう少しスマートな方法を紹介しましょう。私の講義を受講された方はご存知だと思いますが、復習として読んで下さい。
まず、目的関数の係数(600と1,000)を割り算します。600÷1,000=0.6
次に①の係数(0.5と1)を割り算します。0.5÷1=0.5
最後に②の係数(1.5と1)を割り算します。1.5÷1=1.5上記から ①0.5<目的関数0.6<②1.5 という関係になります。
よって、目的関数が最大になるのは、①と②の交点です。Step.5 最適セールス・ミックス
0.5A+B≦4,500・・・①
1.5A+B≦7,000・・・②上記の方程式を解きます。②−①とするのが簡単でしょう。
すると、A=2,500です。ここからB=3,250です。Step.6 貢献利益の減少額を求める
製品A:貢献利益600円×2,500個=150万円
製品B:貢献利益1,000円×3,250個=325万円
貢献利益合計:475万円問1の貢献利益は484万円だったので、9万円減少していることが分かります。
なお、問題として聞かれているのは、営業利益の減少額です。したがって、問2における営業利益を475万円−200万円=275万円という式で求めて、問1の284万円と比較し、9万円減少していると解答しても、もちろんOKです。
しかし!固定費が変わらないなら、営業利益で計算しても貢献利益で計算しても同じことです。だったら、貢献利益で計算したほうが無駄がありません。
無駄な計算プロセスを省くということは、計算速度が上がるだけではなく、ミスも減るということです。意識して頂ければと思います。
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“日商簿記1級・最適セールスミックス確認テスト” に対して5件のコメントがあります。
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6分くらいで、問題を完食しました。(美味しかったです)
ラスパ1回目原価計算の連産品+最適PMも正解。
最適PMのイメージが固まったと思いますが、直接標準原価計算と予実がまだまだダメです。
これ、6分? 力つけたねぇ。いくら典型的な問題とはいえ、そこそこ難しいよね。大したもんだのぉ。
本試験は、このくらいの問題をベースに、ちょこっとだけひねるというパターンになるはず。ケアレスミスさえしなければ十二分に合格圏内。
予実かぁ。えだまめさん得意そうだけどな。直接標準のPLに慣れないのかな?
標準原価計算の歩留と配合差異の考え方と似てるぅーと思って1つ1つ丁寧に理解中デス(;^_^A
PS 勉強成果の棚卸しが2週間後くらいに終わりそうです。思ったより理解して無かった
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
問1で、制約条件を2つにしてしまって、見事に間違えました。
制約条件を判断する過程を理解してませんでした。
0.5A+B=5000
1.5A+B=7000
のように方程式を立てて計算してみたらBは4000で上限を超えるし
迷路に迷い込みました(笑)
組立加工時間だけを制約条件にすればよかったですね。。
後ほど再度解いてみようと思います。
ひろりんさんへ
いや、それ結構おしいんですよ。
実は、何が制約条件になっているかどうかをいちいち確認せずに、とりあえず連立方程式を立てて解いてみるという実践的な解法もあるんです。それで矛盾(この場合、A=2000、B=4000で、Bが3,400を超えている)しているな、と思ったら、じゃあ、LPじゃないんだぁ、とやる解き方も存在します。まあ、正統的な解き方ではないので決してお勧めはできませんけど。